森とともに生きる道-コーヒーと農民学校が守る生物多様性-(ベレテ・ゲラ参加型森林管理計画プロジェクトフェーズ2)

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コーヒー発祥の地といわれるエチオピア。かつては国土の約40パーセントが森林に覆われていましたが、人口増加とそれに伴う農地拡大により、森林面積は急速に減少し、現在、残されている自然林は約3パーセントといわれています。


そのような状況の中、JICAは2003年度よりエチオピア・オロミア州のベレテ・ゲラ森林優先地域(面積は15万ヘクタール。なんと東京23区の約2.5倍!)を対象とした「ベレテ・ゲラ参加型森林管理計画プロジェクト」を実施しています。
地図:ベレテ・ゲラ森林優先地域は、エチオピア南西部のオロミア州に位置しています


なぜ「参加型」森林管理が必要なのでしょうか。
これまでの森林管理では、住民は伐採者、つまり森林から排除される対象として捉えられることが多く、排除する側(政府)と排除される側(住民)が敵対する形となっており、森林管理があまりうまく機能しませんでした。そのため近年では、住民が伝統的に持っている知恵を活用しながら生活と森林保全を両立させる森林管理の方法が強く求められてきたのです。


具体的にプロジェクトでは、(1)集落ごとに農民が森林管理組合を設立すること、(2)組合ごとに話し合って決める森林管理計画を含む森林管理契約を締結・実施することをサポートしています。


もちろん、単に森林管理契約を結んだり、森林管理計画を立てたりするだけでは、農民が森林を保全するメリットはほとんどありません。それは、この契約では優先森林地域の中で生活することや非木材資源を使用する権利は法的に認められますが、農地を拡大したり森林を伐採したりすることができないためです。


そこでプロジェクトでは農民が森林を保全する必要性を意識し、森林との共存を可能にするために、(1)プレミアム価格によるコーヒー取引を可能にするレインフォレスト・アライアンス(注)の認証取得と市場開拓を通じた収入向上支援、(2)改良農業技術やアグロフォレストリーを紹介する農民学校の実施という2つの生計向上活動を森林管理組合に参加した農民を対象に行っています。


今まさに、このプロジェクトの成果が花開こうとしています。


今年度から、日本の商社とオロミア森林公社の間でコーヒー豆輸出の取引が開始されました。この取引で得られる利益は農民とオロミア森林公社で分配されるとともに、プロジェクト終了後に森林管理組合が主体となり、コーヒー取引や森林管理を持続的に実施するための資金として活用されることも目指しています。


また、プロジェクトの成果を明確にするために、JICA研究所において東京大学戸堂康之准教授らが行ったインパクト分析の結果によると、農民学校で学んだ農民の年収は1年間で約70ドル増加したこと、また組合設立が森林保全に有効であると示唆されたことなど、効果が出始めています。


今、彼らの前には道があります。プロジェクトが始まる前には存在しなかった、森林とともに生きるという道が。そして豊かな森林とともに生きるその道は、生物多様性保全にもつながっています。


(注)レインフォレスト・アライアンスとは、アメリカのNGO団体による認証。コーヒーや紅茶、果物、切り花などの農産品や木材が育てられる環境(河川、土壌、野生生物や森林の生態系)の保全と、持続可能な農業・林業を両立させるために、社会、環境、経済の100項目に及ぶ基準を設け、それをクリアした農園を認証するもの。(広報室)

(関連リンク)ベレテ・ゲラ参加型森林管理計画プロジェクト フェーズ2 プロジェクトウェブサイト

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年2回の合同森林モニタリングで違法伐採の有無を確認します

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農民学校の一コマ。栽培方法等を比較し、現場で体感してもらいます

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農民学校で得られた「気づき」は、毎回まとめられ発表されます


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収穫後、コーヒーベッドで豆を乾燥させ、皆で喜びを分かち合います

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ベレテ・ゲラの森林エリアでは、コーヒー運搬にミュール(ラバ)が大活躍します

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