最大の漁港は「ギニア的な世界」
首都コナクリの中心街から徒歩5分の距離にあるギニア最大のブルビネ漁港。いつも活況を呈しており、特に、漁船が帰港する夕方は車の動きがとれないほどの状況だ。漁港に足を踏み入れると、興味深い光景に出会う。
日本の漁港は漁師と仲買人を想定して施設設計されている。それに加えて、ここでは魚燻製棟と網修理スペースが用意されている点が異なる。岸壁のスペースを利用して魚販売がちゃっかりと行われており、予定外の「にわか魚マーケット」も出現している。想定外の使用でも、施設管理者が魚売りの女性たちに強制的退去を求めないのがギニア的な光景で、微笑ましい。漁港内を散策すると他にもこの国らしい光景を目にする。スペースを巧みに利用して機能的な小物が自作で設置されている。
例えば、燻製棟裏の狭いスペースには自作燻製釜が、進入路には生活雑貨調達に便利なキオスクが、魚網修理スペースの横には小モスクが、海沿いスペースにはレストランがある。漁港内に想定外の小建造物が自然発生的にできあがり、全体として共生空間になっていることが分かる。漁港の隅の狭い一角にはシェラレオネ人漁師の居住区もある。ギニアに移動してくる外国人漁師が漁港内に仮住居を構えているのは驚きである。
驚きと言えば、定説では太平洋にしか生息しないはずのブラックタイガーエビを漁港で買ったことがあるが、太平洋産のエビが喜望峰沖を回遊してギニア海域まで北上回遊したのだろうか。
漁港では雑多な生活雑貨が販売されている。頭の上に商品を乗せて歩き売りしているのは、女性か子ども。頭に乗せて売っている商品は飲料水、お菓子、ピーナツ、歯磨き粉、ボールペン、電池、薬......となんでもある。飲料水と揚げ物スナックの単価を聞いたら日本円で3円とのこと。魚の売買は価格表示がなく、値段は交渉次第。秤が使われているのは見たことがない。日本のスーパーのように美しく衛生的な包装は、もちろんあるはずがない。
ランチタイムになると、バラック風レストランで、ギニア料理の定番であるコンコエトロベリ(なまず料理)やリグラを食べることができる。両メニューとも米、魚、野菜を使っており、「うまい、早い、安い」ので日本人にもうけるアフリカ大衆料理である。漁港には茶屋などもあり活気とリラックスムードが共存している。
ブルビネ漁港の沖に見える島は、当国では少ない観光スポットになっており、漁港で小船をチャーターして島のビーチで1日のんびりするのはお勧めだ。実は1999年にブルビネ漁港整備を支援したのはJICAで、ここでは日本人とわかれば優しいギニア人がさらに友好的に接してくれる。(が、実際はほとんどの場合、例によって「ニーハオ」と挨拶されるので、軽く受け流すよう心がけましょう。また、ギニアでは人が集まる場所にはスリもいるから要注意です!)

足の踏み場がないほどの混雑する夕方の岸壁

魚燻製棟で作業中の女性

想定外のにわか魚マーケット

燻製棟の裏に釜を自主制作

ギニア人が大好きな燻製ナマズ