たこ焼きのタコはセネガル産?

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アフリカ大陸最西端の国「セネガル」。日本との時差は9時間。日本からの直行便はない。2002年に日韓で開催されたサッカーワールドカップの開幕戦で、前回王者のフランスに勝利したことや、「ダカールラリー」(通称:パリ・ダカ)などでその名を聞いたことはあるかもしれない。だが、日本で生活をしていれば、ほとんど接点がない国のように思える。


私が新人職員のOJT(職場内研修)でこちらにきて配属されたのは「漁民リーダー育成・零細漁業組織強化プロジェクト」。無計画な漁獲によって失われつつある水産資源を、漁民が主体的に管理していくことを支援するプロジェクトだ。私はこのプロジェクトを通して、日本とセネガルのある一つの接点を見つけた。


それは「タコ」である。セネガル人はタコを食べないのだが、輸出するためにタコを漁獲している。そして、なんとかなりの量を日本にも輸出しているのだ。日本貿易振興機構(JETRO)によると、2009年のセネガルから日本への輸出品の第1位はタコ(115トン)で、2位のイカ(31トン)を大きく離している。普段食べているたこ焼きにセネガルのタコが使われているかもしれないとは、日本にいるときは想像もしていなかった。


プロジェクトでは、この日本とセネガルをつなぐタコの枯渇を防ぐために、さまざまな活動を行っている。中でも目玉といえるのが、禁漁期を設定し、その間はタコを獲らないというルールを漁民主体で守ってもらうというものである。もちろん漁民の反対は必至だ。日々の生活が厳しいセネガルの漁民にとって、お金になるタコを一定期間獲るなというのは酷な話である。


しかし、長期的に見れば、避けられない挑戦だ。私も水産の日本人専門家に同行し、地道に、そして何度も漁民と話し合いを重ね、このルールを守ってもらうよう促した。漁民からしてみれば、「はるか遠い国から来た外国人が、よく分からないことを言っている」という感じだろう。初対面の漁民は耳も貸さない。それでも粘り強く話し合い、その重要性を理解してもらうしかない。何度も、何度も赴いて。


アフリカ大陸最西端の国で、なぜ日本がここまでする必要があるのか。それは、例えば、タコのように、日本とセネガルは気づかないところでつながっていて、そのつながりなしには日本も生きていけないからだろう。だから、日本ができる精いっぱいのことを、ここセネガルでするのだと私は考えている。


それは日本とセネガルだけの話ではない。日本とは全く関係のないように見える国とも、実は気づかないところでつながっていて、互いにそのつながりなしでは生きていけないのだろう。そんな世界の中で日本人として何ができるのかを、今後、JICAの仕事を通じて考えていきたい。

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タコの計量の様子

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研究機関と共同でタコの生態を調査し、産卵時期を禁漁期と設定

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