未来への架け橋
太鼓の音と共に、民族衣装の腰布を着けた子どもたちが一列になって、ベンダ族の伝統的ダンス「ツィゴムベーラ」を踊り始める。躍動的だが、時折、地面にひれ伏し感謝を表す静かなパートが入り、客を迎えた喜びを表現する。普段、任地で活動している青年海外協力隊(JOCV)にとってもあまり見る機会のない本格的なダンス。気づくと夢中でシャッターを切る隊員たちの姿があった。
2011年7月1日。南アフリカ(以下南ア)に派遣されているJOCVのうち、職種が科学または理数科教師の隊員によって、デイケアセンターに通う子どもたちへの玩具寄贈イベントとサイエンスショーが、南アリンポポ州チノ区で行われた。
今回、訪れた「ムツィーズィデイケアセンター」は、主に小学校に上がる前の小さな子どもたちを日中に預かる施設。玩具寄贈は、南アのヨハネスブルグ日本人学校に通う子どもたちが「自分たちにも何か南アのために、世界のためにできることはないか」と自主的に玩具を集め、隊員に受け取り先の調整を依頼したことがきっかけで始まった。今回で3回目の実施となる。
当日、準備のために隊員が訪れると既に現地の子どもたちが集まっていた。初めから、外国人の私たちに全く物おじすることなく周りに集まってくる。好奇心に満ちあふれた目で私たちを観察し、現地のベンダ語で何かを言いながらくっついてくるのがとても愛らしい。
イベントは、冒頭の歓迎のダンスに続き、子どもたちの歌、スピーチと、現地の方に心から歓迎されているのを感じた。イベントの中盤は、南アの科学・理数科教師隊員でつくる「JOCV南ア科学隊」によるサイエンスショーでさらに盛り上がった。このサイエンスショーはこれまで何度も行われてきたが、いつどこでやっても子どものみならず大人の目もくぎ付けにする力を持っている。
イベントの最後には、子どもたちに玩具を手渡し、早速、届いたばかりの玩具で遊んでもらった。男女共に一番人気は、タイヤがついた、動く車やバイクのようだ。
「このイベント、サイエンスショー、そして日本人の子どもたちが玩具を集めてくれたということを私たちは決して忘れないでしょう」と現地側の調整をしてくれたミセス・コーネ。小さな地域での小さなイベントかもしれないが、そのインパクトはとても大きなものであることをこの言葉によって認識させられ、今回の私たちの使命は、日本人学校の子どもたちと現地の子どもたちをつなぐ「未来への架け橋」を築くことだったのだと感じた瞬間だった。
今後は、これをきっかけにして南アの未来、そして日本の未来を支える子どもたちの友好関係がさらに深まること、日本と南アの友好関係が深まることを願ってやまない。最後にこのような機会を与えてくださったヨハネスブルグ日本人学校様と子どもたち、ミセス・コーネ、そしてこのイベントに協力していただいた皆さまに感謝の意を表したい。

静と動が入り混じったツィゴムベーラ

子どもたちにせがまれて始まった抱っこ大会

玩具引き渡しの証明書を手に記念撮影

元気いっぱいの歌

南ア科学隊によるサイエンスショー

躍動