「わかる」にこだわれ-「塚根流」数学-

Twitter Facebook はてなブックマーク Yahoo!ブックマーク livedoor メール

JICA新入職員の海外OJT(職場内訓練)の一環で、青年海外協力隊の塚根健司隊員を訪問した。塚根隊員は、タンザニアの首都ダルエスサラームからバスで2時間弱のムランディジにある、キランガランガ中学校で数学を教えている。訪問時に行われていた授業の内容は、対角線の長さの求め方。日本での教員経験がある塚根隊員は、英語にスワヒリ語を交えながら、公式や解き方を一つひとつ丁寧に教えていく。


授業の特徴は、例題を出して生徒たちが「自力」で答えを出せるよう促すこと。この授業形式を取っているのは、先生が一方的に板書し、生徒がひたすらノートに写すという現地の授業の様子を見て、これでは数学が十分に身につかないと感じたからだ。ただ教えるのではなく、生徒が理解すること、「わかる」にこだわる。それが「塚根流」の授業だ。


塚根隊員は、数学の授業だけでなく、キジャパニクラブという日本を紹介するクラブ活動も担当している。スワヒリ語と身振り手振りを交えて日本語を教えていく塚根隊員。キジャパニクラブにお邪魔すると、いきなり「名前はなんですか」と生徒に日本語で聞かれて驚いた。生徒たちも楽しんで日本語を学んでいるようである。


教材不足や教員不足など、教育に関する課題は多いが、生徒のモチベーションの低さもその一つだという。タンザニアで活動する教育関連の協力隊員は、自主的な組織として「タンザニア教育研究会」を形成し、共通の問題などを話し合っている。


そこで、現在、検討しているのが「タンザニア版13歳のハローワーク」の出版。教育を受けることでどんな仕事に就けるのかを知ってもらい、勉強に対するモチベーションを上げていきたいという。また、教育カリキュラムに重複する内容があるため、タンザニア教育研究会では、カリキュラムを整理することも考えているという。


教室という教育の最前線で活動しているからこそ、生徒のモチベーションやカリキュラムの問題が見えてくる。教室で授業を行うだけでなく、タンザニア教育研究会を通じてカリキュラム、教育内容まで、教育を取り巻く課題に幅広く取り組もうとする塚根隊員。塚根隊員が取り組む課題の大きさと同時に、活動の範囲の広さが印象的だった。

【写真】

生徒と一緒に数学の例題を解いていく

【写真】

スワヒリ語と日本語を板書。この日のテーマは動詞だ

Twitter Facebook はてなブックマーク Yahoo!ブックマーク livedoor メール