ニューオピニオンリーダーの誕生!?-ザンビア人エコノミストによる警鐘-
今年に入ってAllen Laneから出版されたDambisa Moyo(ダンビサ・モヨ)『DEAD AID-Why Aid is not working and how there is another way for Africa』をご存知でしょうか? 援助関係者にとってそのタイトルは一瞬ドキッとするものですが、一読の価値がある本です。
ザンビア大学を卒業した後アメリカに渡りハーバード大学で修士号取得、世界銀行、ゴールドマンサックス勤務を経てオックスフォード大学にて博士号を取得したという経歴のMoyoさんですが、その彼女が本の出版にあたって凱旋帰国し、出版記念講演を行うというので、残業も早々に切り上げて聴きに行ってみました。
長身でスレンダー、小顔の容姿はそれだけで充分に人目を引きますが、一度話し出せばパワフルで、鋭くポイントを突く話しぶり、そして時にはジョークや効果的な引用を織り交ぜた内容に、聴衆はどんどん引き込まれていきます。
参加者に彼女は問いかけます。
「援助とはそもそも臨時的な政策であって、恒久的な歳入とはなり得ないことを理解し、行動している政府がどのくらいアフリカにあるでしょう? 援助から脱出するための出口戦略を具体化し、その実現に向けて我々は行動すべきです」
「アフリカの国々が中国とビジネスをして経済を活性化することの何が悪いのでしょう? 先進国でアフリカ産品が売れない(注:著作の中では、先進国による補助金政策等の結果、アフリカ農産物品の競争性が削がれている事例等が紹介されている)のであれば、需要のポテンシャルがある国との貿易強化を模索することは、国の経済発展を鑑みれば当然のこと。自分の国の政策は自分達で決め、責任を持つ。西欧諸国に口出しされる筋合いはありません」
"I am proudly African."と彼女が言うとおり、アフリカ出身であることの誇り、アフリカを良くしたいという強い思いに終始満ちた講演は聴衆の喝采を博し、立ち見の人であふれかえる会場では、次から次へと質問が挙がっていました。
彼女の主張は主に国家開発・経済発展をその資金調達の面から分析し、課題を呈するものであり、開発援助のあらゆる側面を網羅するものではありません。ただ、他にも有効な資金調達の手段が考えられる中、アフリカにおいては当然のように援助が国家開発の(そして多くの場合唯一の)資金源としてクローズアップされるのが現状です。この点に警鐘を鳴らすメッセージが、アフリカ出身のエコノミストから発信されたことには大きなインパクトがあります。
今年の『TIME』誌「2009年世界に最も影響力のある100人」にも選ばれたMoyoさん。エネルギッシュでパワフルな彼女の今後の活躍にも要注目です。

首都ルサカには近代的なショッピングモールがあります

一方で、コンパウンド(未計画居住区)にはコンパウンドの暮らしがあります

そして村には村の暮らしがあります。これら全てが現在のザンビアの一面です

Compliments of Thomas Nsama (The Post Zambia)/Dambisaさんの講演での様子