コロンビア少年野球チームが日本遠征で学んだこと(前編)
南米北部に位置するコロンビアはサッカーが盛んな国であるが、カリブ海地方を中心に野球も行われており、数は少ないがメジャーリーガーも輩出している。しかし野球はまだまだ地方スポーツであり、ルールさえ知らない国民がほとんどである。
そんなコロンビアで2年弱、協力隊員として指導してきたが、感じることは「才能や体格は日本人の子供たちより遥かに優れているのに、規律・協調性の欠如により持てる力を発揮できていない」ということだった。それは、野球が一獲千金を夢みて、お金を稼ぐためだけのものであり、日本のように教育的要素が全く含まれていない現状の結果であると思われた。子どもたちは指導者や審判に対して平気で文句を言い、道具を投げ飛ばしても指導者は何も注意しない、そんな現状がコロンビアにはあった。日々の指導や、道具を投げたら減点などの特別ルールを採用した大会の主催を通じて、少しずつ彼らの体の中に規律を埋め込んでいくことが私の仕事であった。
着任1年近くがたった頃、奔放なコロンビアの子供たちを日本の野球に触れさせ、日本の野球・文化をぜひコロンビアでも生かしてもらいたいという思いを日本の知人に話したところ、たくさんの賛同者を集めてくれ、10人分の遠征資金約260万円、日本での受け入れ準備を半年間でしてくださった。また、JICAからは自分の日本遠征を公務出張として承認いただいた。遠征メンバーを選ぶ際は、技術面のみならず規律・協調性も重視し、チームに貢献できている子供を選抜した。チームの道具をいつも片づける選手、必ず練習時間に遅れずに参加する選手は多少技術的に劣ってもメンバーに選んだ。パスポート・ビザの準備をJICAコロンビア支所の協力を得て行い、予定通り11月に日本へ向け出発した。13、14歳の選手10人、コロンビア人コーチ1人と私の12人である。移動も含め16日間の遠征となった。コロンビア出発前と帰国後には、コロンビア政府援助調整窓口および外務省、在京コロンビア大使館にも報告を行った。
(「コロンビア少年野球チームが日本遠征で学んだこと」後編に続く)

日本遠征メンバー(バジェ県カリ市の野球場にて)

日本到着時に元コロンビア隊員らが出迎え(大阪伊丹空港にて)

地元中学生との合同練習開始。到着の挨拶

グラウンド内での注意事項を説明。真剣に聞くコロンビアの子供たち

初めて整列してのランニング

グラウンドに頭を下げて、感謝の挨拶