「遊ぼう!学ぼう!健康すごろく」
カリブ海に浮かぶ島国ドミニカ共和国は、九州より一回り大きい国土に約900万人が住む。2003年には大手銀行破綻を契機とした経済危機を経験したものの04年に政権復帰したレオネルフェルナンデス現大統領の下、順調に経済成長を回復し、首都サントドミンゴは高級マンションが立ち並び高級車が走り回る。
しかし一方で、他のラテンアメリカ諸国同様、貧富の格差は著しく、国民の半分以上は貧困層と位置づけられる。特にドミニカ共和国に特徴的なのはそのGDPレベルと比較した社会指標の低さであり、中でも乳幼児死亡率や妊産婦死亡率は周辺のより貧しい国と比較してもお粗末な数値となっている。
このような状況下、JICAは04年から「サマナ県地域保健サービス強化プロジェクト」を開始した。プロジェクトは、首都から離れた貧困県であるサマナ県において、母子保健を中心に、予防や啓蒙に重点を置いた地域保健モデルを確立し、呼吸器疾患や急性下痢症などの予防可能な病気により亡くなる子どもの数を減らすことをめざしている。病気になってから治す(治療)中心の保健医療システムから、病気にかからないこと(予防)を重視したシステムに転換を図る上で重要なのは地域コミュニティの参加。地域住民自らが、病気を防ぐための衛生や予防接種、あるいは地域保健診療所に関する知識を持つ必要がある。
そこでプロジェクトでは遊びながらこれらの知識を学べる「健康すごろく」を作成。なお、作成にあたってはコミュニティごとにある地域保健診療所を中心としてそれぞれのコミュニティで案を作り、コンテストを行った。これによってコミュニティの人々も自分たちのキャパシティを再認識、モチベーションもぐっと高まった。
「健康すごろく」は、サマナ県内の学校や地域保健診療所に配られるとともに、「映像」協力隊員により作成されたプロモーションビデオDVDを添えて保健省を始めとした中央官庁やドナーコミュニティにも配布され高い評価を得た。サマナ県の子どもたちは今日も「健康すごろく」で遊びながら地域保健を学んでいる、はず!

プロジェクトの看護師講習会

サマナ県にあるプロジェクト事務所

子どもたちにも人気の「健康すごろく」

「健康すごろく」を見入る大臣たち

予防接種を受けに来た女の子