楽しみながら環境を学ぼう!-世界環境デーに合わせてJICAの事業を紹介(後編)-
楽しみながら環境を学ぼう!-世界環境デーに合わせてJICAの事業を紹介(前編)-からの続き
そして最も人気があったのは、JICAボランティアによる環境教育体験活動。サント・ドミンゴ東市役所で排水処理を担当するシニア海外ボランティアの中村利彦さん、相手側機関のローランド・カストロさんと、サント・ドミンゴ特別市の環境情報センターで環境行政への協力を行っているシニア海外ボランティアの向井徹さんが中心となって実施した簡易水質実験は、災害時を想定した汚濁水の凝集ろ過の実験。透明のプラスチック容器に茶色く濁った川の水を入れ、その水を浄化するプロセスを観客に見せるだけでなく、一部の観客は実際に実験にも参加しました。ろ過、塩素処理された水を実験主催者が観客の目の前で飲むと、観客からは「あんなに汚い水が、こんな透明になって、しかも飲めるなんて!?」と驚きの声が上がりました。大学生を対象としていたところ小学生も集まり、魔法をかけたような不思議な現象に、「凝集剤には何が入っているの?」「なぜ砂ろ過は必要なの?」「どんな水でも飲めるようになるの?」といった質問が相次ぎ、水という自然資源の保全と利用について学ぶことができました。
使用済みのペットボトルをリサイクルして小さな植木鉢を作り、そこに有機肥料を含んだ土を入れて大根の種をまく育苗教室も、子供たちに大人気。この有機肥料は、JICAの環境保全型農業プロジェクトで開発されたもの。大根はドミニカ共和国でなじみの薄い野菜ですが、発芽が早いため、子供たちの植物(野菜)栽培に関する興味を引きやすいだろうと、青年海外協力隊の下渡泰司さんが準備し、活動を盛り上げました。子供たちからは、「有機肥料に何が入っているの?」「何日くらいすれば芽が出るの?」など素朴な質問が。また、有機肥料そのものでなく、ペットボトルをリサイクルし、環境に配慮している点を下渡さんは強調。教室に参加した小学生の先生も「私たちの学校でも是非実施したい」とリサイクルに対する意識を高めることができました。有機肥料のぼかしやコンポストは、会場でも多くの観客の興味を引いていました。
また、ゴミの行方を物語風に説明した写真展を開催した、サンチアゴ市で活動する青年海外協力隊員(環境教育)は、多くの子供たちがゴミに関心を持ってくれたことに満足。昨年末、この隊員は使用済みペットボトルを用いて高さ約4メートルのクリスマスツリーを制作し、サンチアゴ市で大評判となりました。ライトアップされたツリーの写真を見て、多くの人がその作り方を尋ねるなど興味津々でした。そのほか、サント・ドミンゴ特別市の環境情報センターで活動する青年海外協力隊の櫻岡範子さんも、リサイクル品から造られた遊具を披露するなど、子供たちの興味を引きつつ、資源の有効利用を伝えました。
残念ながら、スペースや時間の制約で、計画していた全ての活動はできませんでしたが、市民と直接交流を持ち「楽しみながら学ぶ」ことが、人々の環境への興味を高め、ひいては自然資源の保全と利用を理解する上で非常に効果的であることが、今回の活動で再認識されました。

水質実験の様子

子どもたちも興味津々で水質実験に参加

有機肥料を用いた育苗教室

使用済みペットボトルで作られたクリスマスツリーの写真に見入る少年

ゴミに関する写真展

ゴミに関する環境教育