国際協力の現場から―ガラパゴス諸島海洋環境保全
世界自然遺産であるエクアドルのガラパゴス諸島海洋生態系を保全するために私たちは活動しています。プロジェクト全体像は大橋専門家の「ガラパゴス海洋環境保全への取り組み」で報告されていますので、今回は活動の一つを紹介します。
ガラパゴス諸島に人間が定住を始めたのはたかだか100年前のことです。インフラストラクチャー整備が進み、観光業が盛んになるにつれ、エクアドル本土から新たな職業機会を求めて人々が移住してきました。私がガラパゴスに住んで日々感じることは、ガラパゴス島民はガラパゴスの独特の自然に対して興味が薄いことです。それは、外国人がガラパゴス諸島の自然環境に興味をもって訪れるのとは対照的です。プロジェクトでは住民参加による海洋環境保全を目指していますが、そもそも守るべき海洋環境について興味をもつ住民が少なかったのです。
海洋環境に興味の薄い住民をどのように保全活動に巻き込むかが、私たちのプロジェクトの大きな課題の一つでした。まず住民にガラパゴス諸島のすばらしい海洋環境に興味をもってもらうことから始めました。幸いにもプロジェクトでは海洋生態系モニタリングを実施していたので、海洋生物の写真や動画がありました。それらの写真や動画をダイビングした場所ごとに編集し、DVDに焼き付け、地元住民に配布しました。編集は教育的ではなく、多様で美しい海洋生物を前面に出すように心がけています。それは、家庭でリラックスして繰り返し繰り返し娯楽のように鑑賞するうちに、知らず知らず海洋環境に興味をもってもらうためです。ガラパゴス諸島に生息する海洋生物はそれだけの力をもっていると確信しています。
この企画はカウンターパート(同僚)のみならず現地のスタッフの手助けにより順調に進んでいます。住民からも好評を得ています。私自身、撮影をすればするほどガラパゴス諸島の海洋環境と生物の種類と量の豊かさに魅了されています。将来にわたり住民の海洋環境に対する意識が高まり、この貴重な自然が残されることを願いながら、私たちは活動しています。

ウミガメ

イサキの仲間

ガラパゴスアシカとカウンターパート

アカエイの仲間

ドチザメの仲間

ニシフウリュウウオ