セメントが牛の餌に!!!-鉱塩ブロック完成まで-(後編)
セメントが牛の餌に!!!-鉱塩ブロック完成まで-(前編)からの続き
信頼の置ける農家で鉱塩ブロックを試してもらったところ、開口一番、「セメントが牛の餌に!!!」と、驚いた様子。鉱塩ブロックの材料には、セメントも含まれており、見た目はまさにコンクリートブロックのようだからだ。その後、いくつかのモデル農家を選定し、鉱塩ブロックの試作を繰り返す中で、農家の方々からたくさんの助言を頂き、任地にさらに適応した鉱塩ブロックのアイデアが次々と出てきた。
「任地では米を生産していないため、米ぬかは高価で入手が困難ですよ」とは、農家の方からの助言。そして、配属先である県審議会からは、「基本的に貧困農家を対象にして、極力コストを抑え、塩、糖蜜、セメントだけで、鉱塩ブロックを作ってはどうか」と会議を通じて助言をもらった。また、ある農家の奥さんからは、「ケーキを作る要領で、型枠プラスチック容器に油を塗っておけば、セメントが固まったら簡単にブロックが取れるかも。型枠プラスチックの再利用や低コスト化につながるよ」と、女性ならではのアイデアを頂いた。こうした助言のお陰で、農家の好きな形、容器、容量で作製することができ、型枠として飲料水などのペットボトルを再利用できることにもなった。
試作と改良を重ねていくうちに、鉱塩ブロックを試してみたいという農家も出てきた。ある農家からは、「今後の普及を目指して、首都にある試験機関で内容物検査をしてみたらどうか」と提案された。その背景には、任地の一部の農家ではセメントを使うことへの不安があったようだ。そして、内容物検査を行うことになり、その検査結果を斉藤博JICA専門家にも見ていただいて、安全性を確認した。
こうして、一人ひとりの農家の意見やアイデアを受け入れて改良に改良を重ね、任地に適した鉱塩ブロックを完成させることができた。そして、任地のたくさんの家畜農家や配属先の関係者から、「講習会を開催し、誰もが鉱塩ブロックを作れるようにパンフレットを作成してはどうか」という提案があり、講習会の開催とパンフレットの作成が決まった。これらの業務は、県審議会が支援をしてくださり、実現させることができた。
パンフレット作成時は、東日本大震災の直後であったことから、県知事の意見で急きょ「ANIMO JAPON!!!(頑張れ、日本)」の文字が入ることになり、大変うれしく、そしてありがたく感じた。
最後に、私の鉱塩ブロック作製にご支援・ご協力して頂いた全ての皆様に感謝している。どうもありがとうございました。

畜産農家を対象にした鉱塩ブロック作り

鉱塩ブロックについての講習会

作成したパンフレット