"子どもが子どもを育てる"若年妊娠の予防に向けて(前編)

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一般的に妊娠・出産はおめでたいことである。助産師として妊産婦さんと関わる中で、「おめでとうございます」という言葉を日本では毎日使っていたように思う。しかしここニカラグアでは、望まないまたは性暴力等による妊娠があるため、妊婦さんに「おめでとうございます」と言うことが躊躇(ちゅうちょ)される。さらに彼女たちの将来を考えると、心からの「おめでとう」が言えない。


「僕の住んでいる町では、今若年妊娠がはやりなんだ!」昨年10月に首都マナグアで開催された青少年会議の中で15才の若者が発言した通り、ここ中米ニカラグアでは10代で妊娠する女性が実に多く、10代前半の母親も珍しくない。若年妊娠に至る理由は、性行為で妊娠するとは知らなかった(情報不足)、初めての性行為では妊娠しないと聞いた(間違った情報や迷信)、親の気を引きたかった(コミュニケーション不足)、性暴力・・・等、様々である。


当然妊娠をしたら学業は中断、自分の名前すら書けない母親にもたくさん出会う。入籍・結婚を好まないニカラグア人もおり、妊娠中からシングルマザーとなることもあるのだ。相手がいたとしても、男性はまだ高校生で働く気もないため二人揃って親のスネカジリ。「妹の妊娠を機に家族が崩壊した」との叫びがあるように、若年妊娠は家族にも多大な影響を与える。にも関わらず、1年後にはまた妊娠をする・・・・・・。自分の辞書に"責任"なんて言葉が存在しないのではないか、と言いたくなるような彼らが親になるには、心身共にあまりにも未熟すぎる。そんなカップルがたくさんいるのだ。


若年妊娠がよくないとはいえ、妊娠した女性はきちんと妊婦健診を受け、母親になる準備をしなければならない。そのお手伝いをするために、配属先のグラナダ県で私は思春期の妊婦さんを中心とした妊婦クラスを保健センターの看護師さんと共に開催してきた。月経の仕組みと妊娠の成立、妊娠中の注意事項、出産、産後の過ごし方、新生児の特徴、家族計画・・・・・・参加してくれた妊婦さんたちにテーマを選んでもらい、できるだけ興味を持ってもらえるように教材作成も工夫した。


妊婦さんの集まりが悪い、看護師さんの都合がつかない等の理由でクラスが開催できないこともあったが、参加してくれた妊婦さんたちからはいつも好評だった。家事と子育てに追われ、市場への買い物しか外出が許されない女性たちがおめかしをして妊婦クラスにやってくる。このような女性が自由に集まれる場が地域にもっとあったら・・・・・・女性たちを見てこう感じた。地域で青空クラスを開催したときには女性だけでなく、男性も興味を持って耳を傾けてくれた。男性優位のラテン文化の中では、男性に対する教育も欠かせないのだ。  
[後編に続く]

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ニカラグアの有名な観光地グラナダ市の大聖堂

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妊婦クラスに向けて看護師さんと教材を作製

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非識字妊婦さんのために、教材には必ず絵を描く


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プロジェクトが供与した教材を使用

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雨降る中、多くの妊婦さんが保健センターに集まった

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