農協組織を通じた小農支援(後編)
農協を通じた小農支援、「パラグアイ南東部小規模農協強化プロジェクト」には、小農協と青年海外協力隊チームによる取り組みの一つとして、直売市があります。
「もう少しでスペインに出稼ぎに行くところでした。でも、今は直売市の収入で家計を切り盛りしています」。そう語るのは直売市参加者のフローラ・デルバジェさん。「家族と一緒に暮らしたい」というのは誰もが願うことですが、小農にとっては簡単なことではありません。家庭の収入源が限られるため、女性や若者は出稼ぎに行かざるを得ないからです。直売市に参加している女性たちは、皆一様に「自分の収入で家族を支えられて誇らしい」と言います。
プロジェクトの支援を受けているペルペトゥオ・ソコロ農協とオニョンディベパ農協の組合員の家庭では、主に大豆やトウモロコシなどを栽培するかたわら、自家消費用に野菜の生産や家畜の飼育に取り組んでいます。しかし、穀物以外の生産は小規模にとどまり、現金化される機会はほとんどありませんでした。「農家の女性が副収入を得られるよう、定期的に少量の農産物を販売できるシステムを構築したい」と、両農協に配属されていた協力隊員は、農協と協力して直売市を考案。二つの農協の協働による直売市が実現しました。
直売市で販売するのは豚肉、鶏肉、野菜、軽食など。初めての取り組みに皆、不安もありましたが、売れ行きは予想以上で、第1回の直売市は成功を収めました。参加者にとって、生計向上のプロセスを実感できたのは大きな成果でした。
その後、両農協に派遣されている協力隊員は、農協と組合員との間に立って地道な活動を続けました。直売市参加への呼びかけ、売上表の記入方法や参加費の徴収、会計管理などの指導を続けた結果、運営は軌道に乗り、今では参加者が直売市の委員会を作り、自ら運営できるようになりました。集めた参加費を管理して、その資金で鶏のヒナを共同購入するなど、委員会の役割も広がっています。
直売市の実施と委員会の取り組みを続けた結果、参加者である農家の女性たちは、プロジェクトのほかの農協へ視察に行くなど、積極的に外の世界に目を向けるようになりました。家庭の収入源を増やすことを目的に始まった直売市でしたが、主婦たちが新しい経験を積みながら新たな自分を発見するという成果にまで至っています。今後も、直売市をはじめ、またそれ以外にも組合員が自ら活動を広げていけるよう、青年海外協力隊チームのサポートは続きます。

直売市は毎週金曜日

たくさんの客でにぎわう直売市

直売市の参加者と共に販売方法を考える協力隊員

直売市の参加者に売り上げの管理を指導する協力隊員

直売市の参加者の家庭菜園を巡回する協力隊員

直売市の参加者による集合写真