カリブの宝石
セントビンセント及びグレナディーン諸島、ここは絵の具を一滴垂らしたようなエメラルドグリーンの海を持ち、カラフルな熱帯魚やサンゴ礁、海がめ、ロブスター等海の宝の宝庫である。そして陸上では、国旗と同じ色青、黄色、緑の三色の羽を持つ"セントビンセントパロット"(この国固有のオウム)やイグアナが生息し、一年中色とりどりの花を咲かせ多くの恵みをもたらす豊かな自然がある。
又、この国で一番大きな島であり首都があるセントビンセント島では湧き水が幾つも存在し、各家庭の水道からはそのままでも美味しくそして安全に飲める水がいつでも手に入る。セントビンセント国民"ビンセンシャン"はそんな自然の恵みを受けながら日々幸せに生活している。まさにここは"カリブの宝石"なのだ!!
そんな国でもやはり環境問題は存在する。まず目に見えて深刻なのはゴミのポイ捨てだ。もともとフルーツを丸かじりし、その種や皮などをそのまま地面に捨てる習慣があるこの国の人々は、たとえそれがスナックの袋やビニール袋、ペットボトルなどの自然に分解され難いゴミも同じようにポイ捨てしてしまう。そしてまた、街にはゴミ箱が無く毎日掃除をする人が雇われているという理由がこの現状に拍車をかける。したがって、街の溝や川、ビーチどこにでもゴミがころがっている。この問題を解決するにはまだまだ時間と教育が必要だ。
そしてもちろん目に見えない環境問題も存在する。近年では、海がめやロブスターは乱獲によりその数は減少、国鳥である"セントビンセントパロット"もその生殖地の破壊や乱獲によって絶滅の危機にある。国では保護区や禁猟期間を設けその保護に努めているが、この問題を食い止めるのは難しいのが現状である。
現在国内では「クロスカントリーロード計画」が進行中である。これはセントビンセント島を東西に横断する道の建設で、これにより多くの森が破壊されることは必然である。また近い将来には新国際空港の建設も予定されている。このような大規模な工事によってこの国の自然破壊は進行している。
"カリブの宝石"と言われるこの国が、今後もその名の通りの宝石でいられるか?それは全てビンセンシャンの行動に関わってくる。いったい何人のビンセンシャンがこの自然の美しさ、豊かさ、尊さに気付いているだろうか。そして私達が守っていかなければならない一番の宝だということを。私はこの国で環境教育に携わる者として、一人でも多くのビンセンシャンにそのことを伝えたいと思っている。この国が"カリブの宝石"であり続けることを願いながら。

セントビンセント及びグレナディーン諸島の首都キングスタウン

エメラルドグリーンの海

国旗と同じ色青、黄色、緑の三色の羽を持つ“セントビンセントパ

川の流れをせき止めてしまうゴミ