「ナガトミ・メトード」
「スズキメトード」は世界に行き渡った素晴らしいバイオリンの教本ですが、シニアボランティの私がここウルグアイで作った「ナガトミ・メトードFlauta Dulce 縦笛教本」もラテン諸国の多くのこどもたちに音楽する喜びと楽しみを与えられると自負しています。
いきなり♯記号がついたト長調やニ長調から始めます。柔軟な筋肉を持った小学生のこどもたちには指使いも易しく笛の音色が最も美しい調子であり、また歌い易い音域なのです。
サッカーボールを蹴るのではなくリフティングからサッカーを始めるのに等しいでしょう。リフティングができればあとは体力努力センス、それに運を天から授かればバルセロナやリバプールの縞模様が美しい緑のサッカー場で世界中のひとびとを魅了する創造的なプレーができるかもしれません。
「ナガトミ・メトード」は一般に難解と言われている音楽理論をこどもたちに分かりやすく教えることができ、「Do Movible移動ド唱法」つまりどんな調子でもドレミに読み替える練習をすると複雑な運指も滑らかになり、楽器で歌うことができる。そうなると自分でメロディが作れて即興演奏を楽しめる。地球上に存在するあらゆる音楽といつでも異種格闘ができてセッションに参加できる夢のような教本なのです。
小学生でこれを体得すれば一生涯に亘って、形式的に美しいバロック音楽から雄大でロマンティックなクラシック音楽に心を揺さぶられ、数学的で複雑なジャズに手が届き、ペンタトニックの日本音楽も神秘的なアラブのメロディも聴き取ることができ更にそれを演奏することもできる。カラダに刷り込まれたリズム感でサルサ、メレンゲ、ヒップホップ、タンゴなども難なく踊れてその気になればフラメンコだって!世界の民族音楽がぐっと身近になりエスニック料理のように味わえるのです。
案の定この「ナガトミ式縦笛教則本」は、音楽活動よりデスクワーク重視の教育省の指導主事たちや昔ながらの「ハ長調」から教える保守的な先生たちには当初不評で、訝る眼差しで私を取り巻き反対の声をあげましたね。しかし耳のいい先生たち若い先生たちそしてこどもたちにとっては私の登場は「サンタクロース」に等しかったようです。
私と指導主事たちとの不協和音で始まった音楽講習会も途中からこどもたちがシンプルなメロディながらも次から次へと受け渡して即興演奏を始めた時、思いがけず指導主事たちや年配の先生たちがコーラスとスキャットでこどもたちの演奏に加わったのです。大人たちの朗々とした歌声とこどもたちの笛の音が複雑に重なり大きなうねりとなりみんなが私の方へ笑顔と満ち足りた表情を向けてくれました。先ほどまでの私との議論は嘘のよう。ウルグアイ人の奥深い心と音楽性に私も納得!
小さな国ですが大きなプライドを持っているこのウルグアイの音楽教育に携わるひとたちに「ナガトミ・メトード」を残しつつ、この地で今ボランティア活動ができることの幸せを満喫しています。

他の学校と掛け持ちの先生が多い。時間を惜しみながら日本の篠笛と合奏

配属先で月例の楽しい誕生会。会費は15ペソ(約75円)

ウルグアイ国歌はオペラの序曲並みの大曲、4分30秒かかります

ウルグアイ大使館草の根事業に協力

ナカムラ、タカハラの名前も知っているウルグアイのこどもたち

ラプラタ川沿いの芝生で妻とフットボール(ここではサッカーとは言いません)