災害は希望まで奪い取れない(災難不能帯走希望)-中国国際放送局のラジオ番組に出演して-
今年の5月12日は、四川大地震発生からちょうど3年に当たり、中国では、各メディアがこぞって復興の特集番組を編成しています。
中国国際放送局も、FMラジオは中国語の特別番組、インターネットラジオで日本語番組(※)を企画し、JICA中華人民共和国事務所への依頼を受け、私が出演しました。
中国語の番組は、1時間の生放送でオンエアされました。キャスターと私のほか、中国の国際救援隊員として四川大地震と東日本大震災で医療活動に従事した彭碧波さんが出演。四川大地震の際の日中の援助隊の活動、日本による復興支援などが話題に上りました。
このほかに番組では、四川大地震の被災地に派遣された日本の国際緊急援助隊・医療チーム、救助チームそれぞれの副団長を務めた小倉健一郎医師、藤谷浩至JICA職員も事前に電話でのインタビューに応じており、その模様が番組内で放送されました。
まず私は、今年3月に四川大地震の被災地を訪問した際に見聞した復興の様子について、特に北川県の新旧市街の変貌(へんぼう)ぶりに驚いたことと、中国式復興の優れた点から話を始めました。そして、四川大地震への復興支援としてJICAが実施している四つのプロジェクトについて、特に日中の関係者が、震災は他人事ではないとの認識に立ち、熱心に共同で取り組んでいる様子や、日本からの技術・知見をそのままでなく、中国の考え方に即して取り入れるよう工夫している様子を、実例を交えてお話ししました。
東日本大震災にも話が及びました。震災の後、私は北京で、中国の関係機関やJICAにご縁のあった個人から、多数の心温まる支援や励ましのメッセージを受け取り、それを被災地につないだことを伝えながら、日本で被災した人々がどのような想いで生活を再建しようとしているかを語りました。
中国では、支援を受けた相手に伝える言葉は、「ありがとう」ですが、日本では、一般的に、他人から支援を受けたときには、迷惑をかけて申し訳ない、だから、「すみません」という気持ちが先に立ってしまいがちです。でも、私たちは、困っているときは、お互いに助け合うものだ、ということを知っています。だから、東日本大震災で被災され支援を受ける方々は、胸を張って「ありがとう」と言ってよいのだ、そうすることによって、周りの人々も支援しやすくなるのだ、そのようなことも話しました。
最後に、復興が続く四川と日本、それぞれの被災地に向けたメッセージとして、「災難不能帯走希望(災害は、希望まで奪うことはできない)」という言葉で、番組を締めくくりました。
四川大地震の時に受けた日本人からの援助や温かい気持ちを、被災していない人までも、中国の人々はみな覚えてくれています。われわれ日本人も、今回、被災した岩手県大船渡市に真っ先に到着した援助隊がどこの国のチームだったかを(注)忘れないようにしたいと思います。
※出演番組「CRIウェブトーク『気ままに談談(たんたん)』Vol.25 国際救援が結ぶ中日の絆」(外部リンク)
インターネットで聞けるのは日本語番組のみ。
(注)答えは、中国です。
【関連リンク】
中国国際放送局トップページ(外部リンク)
日本から学んだ技術で恩返しの救助活動(東日本大震災)-各国のJICAプロジェクト関係者らが被災地で尽力-(2011年5月19日、トピックス記事)
JICA中華人民共和国事務所 ウェブサイト

スタジオで語る筆者(左)と彭さん(写真提供:中国国際放送局)

四川大地震に派遣された国際緊急援助隊と中国の救助隊が、被災現場で救助計画を議論(2008年)

北川県にて。復興が進む街

日本の国際緊急援助隊が最初に活動した青川県には、地震を記念する博物館が建てられ、5月12日に開館。国際緊急援助隊の救助活動の写真なども展示されている(写真提供:日本赤十字社)

岩手県大船渡市で活動する中国国際救援隊。「日中協力地震緊急救援能力計画プロジェクト」で指導を受けた教官も参加した(写真提供:胡傑氏)

JICA中国事務所に寄せられたメッセージの数々