関西発、「日本を元気にする」教員たち

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青年海外協力隊の「現職教員特別参加制度」をご存知でしょうか。国立・公立学校の教員が現職のまま青年海外協力隊・日系社会青年ボランティアに参加できる制度で、2002年度の制度開始から現在までに682人(注1)が80以上の開発途上国に派遣され、現地の小学校や中学校で教壇に立ち、教育の発展に資する活動をしています。


一方で、多くの自治体がJICAボランティアの経験者(OV)を対象にした教員の特別採用枠を設けており、帰国後に教員として採用された多くのOVが日本全国の教育の現場で活躍しています。


経歴が異なる「現職参加隊員」「元JICAボランティアの教員」。しかし、双方とも、国際理解を促す授業を行うほか、習得した語学力を生かし、日本語を話せない児童・生徒への指導を受け持つなど、開発途上国での活動経験を基に、日本の教育現場で前向きに活動をしている点は共通です。


また、東京都市大学の佐藤真久准教授は、2009年10月~2010年3月まで「青年海外協力隊『現職教員特別参加制度』による派遣教員の社会貢献と組織的支援・活用の可能性」の調査研究を実施。JICAボランティアとしての経験は、教員自身の資質や能力の向上につながり、教育内容の質的変化をもたらすなど、学校教育に貢献していることを明らかにしました。


教育現場での実践例の共有や、教材の研究・開発、さらには、JICAボランティアを目指す教員の支援などのため、OV教員による研究会が日本各地に立ち上げられています。関西には京都・大阪・兵庫に「京都市国際教育グローバルキッズ研究会」(京都)、「青年海外協力隊大阪府OB・OG会教育ネットワーク」(大阪)、「兵庫OV教員研究会」(兵庫)が活動しています。


それぞれの経験を共有して研究会同士のつながりを強化し、より活発な活動につなげるために、3研究会が一同に会し、「第1回関西合同OV教員研究会」を2010年8月28日にJICA兵庫で開催。当日は佐藤教授による基調講演のほか、OV教員が協力隊経験を教育現場でどのように生かし、その結果、子どもたちの心や学習成果にどのような変容がもたらされているのかを発表しました。このようなネットワークの広がりは全国的にも珍しく、この活動を参考にしようと、東京・岡山・広島・愛知など遠方からも参加があったほか、ボランティア経験者だけでなく、JICAの教師海外研修(注2)参加者、教育関係者や、大学教授、学生など、多くの参加者を集めました。


どこの国でも、子どもたちは「宝物」です。人に優しくあってほしい、思いやる心を持ってほしい、家族を大切にしてほしい――そういった子どもへの願いも共通のはずです。開発途上国では当たり前な、そういったことが失われつつある現代の日本。しかし、ボランティア経験教員は、日々情熱を持って子どもたちと向き合い、彼らの教室では子どもたちの心に響く授業が行われています。


(注1)2010年11月8日現在の数。
(注2)国際理解教育・開発教育に取り組む教員を対象にした研修制度。開発途上国での研修(約10日間)と国内研修を通じ、途上国の現状と日本との関係への理解を深め、成果を教育の現場で活用することを目的として実施される。(広報室)


関連リンク
◇現職教員特別参加制度(JICAボランティアウェブサイト)
◇「現職教員特別参加制度」パンフレット(JICAボランティアウェブサイト、PDF 940KB)
◇教師海外研修(JICA兵庫ウェブサイト)
◇南アフリカでの国際協力の意義を共に考える-岡田外務大臣と青年海外協力隊が懇談-(2010年5月21日トピックス記事)

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現職参加でブラジルに派遣された鈴木晴子隊員(中)。日系の生徒に日本語を教える(写真:今村健志朗)

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佐藤真久准教授による記念講演

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研究会では、参加者同士が活発に交流した


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ベリーズでのボランティア経験について話す安藤さん

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協力隊での経験を基に教材をアレンジし、授業を行った篭さん

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「世界に目を向ける子ども、多角的な視点を持つ子どもを育成したい」と発表した、森山さん

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