養殖普及と農民の参加

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「参加型開発」という言葉を知っていますか?おそらく、国際協力に興味がある人であれば一度くらいは耳にしたことがあると思います。でも、実際それがどのように国際協力の現場で実践されているかを知っている人は、あまりいないのではないでしょうか。


 国際「協力」という言葉が表す通り、開発援助には援助をする側と共に活動して、何かを作り上げる「相手」が必要です。しかし、「参加型開発」という言葉だけでは、それを単純に「与えるもの」と「与えられるもの」に分類して考えてしまいがちではないでしょうか。


私は2011年8月から約2ヵ月間、JICAラオス事務所でインターンとして勤めました。その期間中に訪れたJICAの技術協力プロジェクト「南部山岳丘陵地域生計向上プロジェクト(LIPS)」で、私が見た参加型開発を皆さんに紹介したいと思います。


LIPSは現在、ラオス南部の4県(セコン、サラワン、チャンパサック、アッタプー)で実施されており、養殖や家畜飼育の技術移転を通じた農民の生計向上を目的としています。これらの4県には貧しい村が多く、生計向上が重要視されています。ラオスの主要産業は人口の約8割が従事する農業ですが、天候によって収量が大きく変化するため、生活の安定や現金収入には養殖や家畜飼育が欠かせません。


プロジェクトでより良い成果を得るためには、農民の主体的な参加が必要ですが、JICA専門家が農民の参加を促すだけでは持続的な開発にはつながりません。そのため、JICA専門家と農民の関係を円滑にし、プロジェクト終了後も農民の持続的な活動を促す組織が必要になります。


そこでまず、養殖普及の現場では、養殖普及委員会を設立し、委員会に所属する農民が養殖に関する勉強会を開いたり、他の養殖農家に助言をしたりします。また、村内の養殖技術普及を先導する村落養殖開発ワーカーを選定し、自発的に養殖技術を村内に普及させる仕組みを作ります。


この開発ワーカーにとっては、政府から認定されることによる社会的ステータスと技術指導による現金収入が、モチベーションになります。また、各地区の農林局職員が、担当する村の状況をきちんと把握しようとする動機づけのために、バイクやガソリンを供与します。村民は職員が村を訪問した際、必ずそれをノートに記録し、JICA専門家が村を訪問した際にそれが確認できるようにします。


このように、参加型開発は「与えるもの」と「与えられるもの」という単純な分類ではなく、さまざまな役割を担う人々の存在が欠かせません。これが、プロジェクトが終了し、JICA専門家が引き上げた後も、農林局職員や農民自らによる持続的な活動の仕組みの確立につながるのです。

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LIPSのプロジェクト事務所の看板

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農林局職員らとともに稚魚を農村まで運ぶ

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稚魚を養殖池に放流しているところ


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雨期はアクセスが非常に悪く、徒歩で川を越えなければならない

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農林局職員に供与された日本のODAマーク入りバイク

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農村にて、農民とJICA専門家の打ち合わせ

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