バナテ湾の自然を守りたい-「イロイロ州地域活性化・LGUクラスター開発プロジェクト」成果発表セミナー報告-

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 2010年1月15日、首都マニラから飛行機で約1時間の距離にあるパナイ島に行ってきました。2007年10月から実施されている「イロイロ州地域活性化・LGUクラスター開発プロジェクト」で、沿岸資源管理分野の進捗を共有するセミナーに出席するためです。


 LGUクラスターとは、地方自治体(Local Governmental Unit)の連合体のことで、プロジェクトではこの連合体を核に、住民支援や調整のための能力を強化することを目的としています。中心となるのは、バナテ湾周辺の4町で構成する「バナテ湾資源管理評議会(BBRMCI)」。BBRMCI事務局の活動のために、4町は資金の拠出やスタッフ派遣などに協力し、共通の課題に対する調整や支援を行っています。


 バナテ湾の沿岸資源、つまりは失われつつあるサンゴ礁やマングローブ林、魚介類保全のため、プロジェクトでは規定外の網やダイナマイトを用いた乱獲の取り締まりを行い、漁民だけでなく子供たちを対象にした環境教育も進めてきました。JICAが提供した違法漁業のパトロール船は、BBRMCIのスタッフによって管理され、定期的な監視に役立てられています。


 一方で、ほかに収入の手段を持たない漁民たちの生活はとても貧しく、リスクを犯して「違法漁業」に手を染めざるを得ないという背景もあります。


 そこでプロジェクトでは規制を強化するだけでなく、漁業以外からも漁民が収入を得られるように、貝類の養殖や水産加工の技術指導も行っています。漁村の女性たちは2009年12月から研修施設に通って、えびスナックやフィリピンのお菓子ポルボロンの製品化について学んできました。流通ルートに乗せるためのビジネス講習なども開催しています。


 プロジェクト開始当初は半信半疑だったフィリピンの人たちも、日本人専門家が実際に手を動かしてやってみせ、ともに結果を確認することで、次第に「やってみよう」というプラスのスパイラルが生まれていきました。こういった気持ちはもともとフィリピンの人たちの中にあったものだと思うのですが、日々の生活に精一杯だったり、あるいは挑戦するためのお金や機会がなかったりしたため、眠ったままになっていたのではと私は感じています。こうして途上国の人たちが元気になる、笑顔になる、そのきっかけをお手伝いするJICAの仕事の現場を、ぜひこれを読んで下さっている皆さんにも知って頂けたらと思います。


 これらの様子が紹介された今回のセミナーには、プロジェクト対象地域である4町のみならずイロイロ州内の7町から参加があり、合計210人が出席。その注目度の高さをうかがわせました。


 1996年に創設されて以来、事務局長マルーさんのリーダーシップによって発展してきた組織、BBRMCI。JICAによる支援は2010年10月で終わりますが、引き続きBBRMCIとその周辺自治体が適切な沿岸資源管理を行っていけるような支援になるよう尽力していきたいと思っています。


※このプロジェクトの様子は、「知花くららの地球サポーター」(テレビ東京)で紹介されます。ぜひご覧ください。
放送日時: 3月19日(金)夜9:54~10:00
テレビ大阪、テレビ愛知でも放送されます(放送日・時間はそれぞれ異なります)。

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地元メディアの取材(左から、BBRMCI事務局長マルーさん、プロジェクト総括の宇田川専門家、州計画局長マリオさん)

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優秀な活動を収めた漁民の表彰

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基調講演を行ったAntonio Oposa氏が鳴らす警鐘には、会場全体が傾聴した


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会場でも販売された水産加工の試作品(手前から、えびチップス、瓶詰めの魚ペースト、魚介類を練りこんだお菓子ポルボロン)

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バナテ湾のマングローブ植林活動(多田専門家撮影)

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水産加工の技術指導(室谷専門家撮影)

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