水利組合強化支援プロジェクト(後編)

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[前編からの続き]
問題を抱え、機能を果たしていない水利組合は多く、その結果フィリピンの多くの農家は適切に管理された灌漑を利用できない状況に置かれている。


このような状況を改善しようとするのが「水利組合強化支援プロジェクト」の試みである。つまり、組合員一人ひとりに灌漑利用者の一員であることを自覚してもらい、結果として灌漑システム全体の水利用の効率化、灌漑施設の持続的利用ができるよう、水利組合の体制づくりと強化を目的として活動を行っている。


活動は、水利組合活動に関わる研修、節水技術を示すための展示圃場、小規模な灌漑の修復作業などさまざまだが、何よりも相手の「オーナーシップ」を引き出すことが重要である。オーナーシップとは、「開発援助において開発途上国が主導権を持つこと」「自助努力」とも定義される。つまり、一方的にプロジェクトが何かを施すのではなく、NIAの職員や農家の主体的な協力を取り付けながら進めていかなければならない。なぜならば彼らが自ら活動し、水利組合の運営や灌漑施設の維持管理に携わっていく素地を築かなければ、プロジェクト終了後に再び活動が停滞してしまうことが予想されるからである。


現在NIAは、他国からの援助でフィリピン全土の老朽化した灌漑施設を、大規模に改修することを計画している。このようなハード面での援助はもちろん必要だろう。しかしそれだけでは十分ではない。灌漑施設が農家によって適切に管理され、利用されるためには農民や水利組合の活動強化は不可欠である。その意味で当プロジェクト活動の意義は大きい。現在は全国8ヵ所の灌漑システムで実施中であるが、このプロジェクトが成功すれば、その手法はフィリピン全土に適用される可能性もある。


現在3人の日本人専門家にフィリピン人スタッフが2人加わり、プロジェクトメンバーは5人。困難に直面しながらも日々着実にプロジェクトを進めている。フィリピンでは国民の約3~4割が農業に従事しており、その半分近くが貧困状態にある。当プロジェクトがフィリピンの農業および国民に与え得る影響は計り知れないだろう。まだまだ道のりは長い。それでも農民の生活が向上すること、フィリピンの状況が改善することを信じ、今もプロジェクトは動き続けている。

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農村の風景

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日本人専門家は各プロジェクトサイトを飛び回り、説明や研修を行っている

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