2,900ルピーの「初収入」

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今、私はスリランカのキャンディという、お寺とダンスが有名な町のすぐ近くの、小さな山あいの村をあちこち回っています。活動内容は、「収入向上支援」。今はモノづくりをしている生産者たちと一緒に竹を生産している村でお土産ものを作ったり、村の女性たちに石けん作りを教えたりしています。


回っているフィールドの一つに、エンベッカという地域があります。ここは木の彫刻で有名なお寺がある場所で、周りには木工品の生産者がたくさんいます。


ここで、小さな木工品を作るのが得意な24歳のスリランカ人と出会いました。職が見つからないため、母親がやっている小さな露店での稼ぎと、海外に出稼ぎに行っているおじさんの収入が頼り。絵を描いたり、物を作ったりすることが大好きで、繊細で美しく、心のこもった作品を作ります。でも、趣味で作るだけで、作ったらただで友達にあげてしまったり、全くお金にはなっていませんでした。彼が持つ確かな技術を、なんとか家計の助けにしてあげたいと思いました。


同じプロジェクトで活動している仲間と共に考え、木製の小さなお土産物を作ったらよいのでは、と思い、一緒に商品開発に乗り出しました。元々センスも技術もある彼のこと。私たちがたくさん口を出すまでもなく、とても素晴らしい作品を作ってくれました。
しかし、売り場を探さなければ、いくらいいものがあっても売れません。そこで、隊員が集まって協力し、「ポラ(市場)」と称したお店で、他の生産者の商品と共に、小さく、小さくテスト販売をしてみることにしました。


パラソル一つの小さなお店。悪天候に苛(さいな)まれ、お客さんもなかなか集まりませんでした。でもそんな悪条件の中でも、丁寧に作られた彼の作品は、私たちが出したお店で人気を集めました。


象の置物、スリーウィール(三輪自動車)のキーホルダー、手をモチーフにしたネックレス。


そして、2,900スリランカルピー(日本円で約2,100円)が彼の手元に渡りました。スリランカ人の平均月収は20,000スリランカルピー(約1万5,000円)。少ないお金ではありません。彼は言いました。
「自分が作ったもので、こういうふうにお金をもらうのは初めてだ」


嬉しそうに、嬉しそうに、2,900ルピーを見つめる彼を見て、こちらもとても嬉しくなりました。丁寧に彫り、磨き出す彼の作品は、今のところ一日に一つが精一杯。でも彼は言います。
「今はまだ一日に一つだけれども、慣れたらもっとたくさん作れるようになるよ!」


私たちのできることは、こまめに対話をしながら、いずれ私たちがいなくても続けていけるように支えていくこと。まだ大きなことはできないですが、一歩一歩の前進を支えていきたいと思っています。

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生産者の家を訪ね、一緒にフィールドを歩く

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一彫り、一彫り、心を込めて作る

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象のキーホルダー


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隊員仲間と共に、お店をつくる

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革や竹で作った商品も販売

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