ウズベキスタンの地方都市に住む異邦人として
私は2009年の夏から、村落開発普及員としてウズベキスタン共和国シルダリヤ州グリスタン市で活動しています。私の配属先であるNGO、イスティックボリアフロド青少年センターでは、青少年ボランティアの協力のもと、人身売買撲滅運動やHIV/エイズの予防啓発活動を、地域住民のために行っています。しかしウズベキスタンではボランティア活動に対する認識はまだあまり高くありません。私の仕事はそれらの活動をより浸透させるために、地域から新たな若いボランティア層を発掘し、彼らのスキルアップに協力することです。
これに加えてグリスタン市に住む数少ない外国人のひとりとして、市民に少しでも多く外国文化に触れる機会を提供することも重要な活動のひとつです。ウズベキスタンの経済は発展しつつありますが、まだまだ一般市民が国外に行くことは困難です。その反面、若年層の異文化に対する興味や語学への関心は非常に高いともいえます。私の活動する青少年センターに隣接する図書館の利用者が、日本のいろはカルタや将棋セットなどの遊具、和露・露和辞典や日本の教科書に触れる機会があれば、利用者の興味も増え図書館の活性化につながるのではないかと図書館長と考え、「世界の笑顔のために」プログラムを通して物品を図書館に届けるお手伝いをしました。
日本の方々から贈られてきたものはどれもウズベキスタンには存在せず、まず入手不可能なものです。日本の本を見た人々が驚いたのは、開き方からしてまず違うことでした。また書かれている内容を理解できない子供たちも、印刷や製本、紙の質の高さには驚いたようでした。いろはカルタについても、ひらがなさえ覚えれば誰にでも遊べ、さらに諺(ことわざ)の意味にも絵を通して触れることができる優れた遊具だとの認識を持ってくれたようです。
将棋セットを依頼したのは、ウズベキスタンではチェスを嗜(たしな)む人も多く、かつて世界チャンピオンを輩出したこともあり、興味をもって接してもらえるのではないかと考えたからです。最初は駒の表裏にある漢字と、相手から捕った駒を再利用するルールに戸惑ったようでしたが、それにも慣れて、最近は彼らと対局してもなかなか簡単に勝つことができなくなってきました(ただ、これは私がもともと下手だからという単純な理由からですが・・・)。
これらの物品は州立図書館と児童図書館に寄贈され、来館者に活用されています。私も活動の合間を利用し、図書館に訪れるたびにそれら寄贈品を通じた市民との交流を深めています。私の任期はまもなく終わりを迎えますが、彼らが得た新しい知識を地域市民に伝え広めてくれることを心より願っています。
※「世界の笑顔のために」は、開発途上国で必要な教育、福祉、スポーツ、文化などの関連物品を年2回日本国内で募集し、派遣中のJICAボランティアを通じて各国に届けるプログラムです。平成23年度の第1回募集は、5月 2日から6月13日まで。(広報室)
「世界の笑顔のために」 プログラムウェブサイト

人身売買撲滅運動のパンフレットを配布する配属先のボランティア

日本の小学生用教科書を見て

いろはカルタでひらがなに親しむ

ジャンケンで将棋開始

はじめて将棋で勝った瞬間