古都の匂い―素朴と開放感
ヨーロッパ南東側の玄関口、ブルガリア。その中でも、私が活動しているプロヴディフ市はヨーロッパとアジア(トルコ)の中継地点に位置し、古くから商業都市として栄えてきました。どことなく日本の古都・京都を想わせる旧市街には、昔城郭だった丘に石畳と歴史建造物があり、その一方、新市街には現代的・西欧的な建物が軒を連ねます。
歴史上、ヨーロッパとアジアの両方から影響を受けてきたからか、この街の人々は、他の街よりもどこか開放的で人懐っこい、そんな印象を受けます。一度知り合えばもう友達、何か困ったことがあれば親身になって応じてくれますし、山登り・お祭りに誘われることもあります。「今度日本についてこういうイベントをしたいのだけど...」と相談を受けて、配属先以外に足を運ぶことも多々。困ったときは協力し合い、それがさらに互いの信頼を深めていく。街の素朴な雰囲気だけでなく、そういうことができることもこの街の大きな魅力の一つとなっています。
配属先博物館の同僚は、一回りから三回りも年上の人がほとんどですが、持ち前の気さくなキャラクターで拙いブルガリア語を話す日本の小娘とも気さくにつきあってくれます。配属先は一種の専門家集団で、学芸員・画家・写真家など縦割りの業務体制となっています。私自身も唯一のコンピュータ技術者であるため、コンピュータやデータベースについて問題が発生すると、連絡を受け対応するといった状況です。みなそれぞれの専門分野においては高度な知識を有し一生懸命取り組むのですが、ちょっと分野が異なってしまうとすぐに専門の人に頼る風潮であるため、考えて自分のスキルとして消化していく場面がまだまだ少ないように感じます。
2007年1月のEU加盟を受けてブルガリアへの青年海外協力隊派遣は打ち切りとなるため、私が配属先にとって最後の隊員となります。帰国後の技術者の雇用予定は予算上厳しい状況なので、コンピュータ関連のスキル移転は必須となるのですが、同時に「人に聞く前に、自分自身で考える」、そういった姿勢も伝えていけたらと考えています。

近郊の村のお祭り

リラ山系の頂上から見た湖

旧市街の骨董品店

春を迎える伝統のお祭り。クケリというお面は地域ごとに違ったデザイン
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