政変により中断を余議なくされたプロジェクトへの想い
エジプトの古代文明を伝える貴重な文化財を収蔵する、カイロのエジプト考古学博物館。建物の老朽化に伴い、現在JICAは、三つのピラミッドがそびえるギザ地区に、円借款で新しい博物館の建設を支援するとともに、そこに収蔵される文化財のデータベース構築と、保存修復家の技術強化を図る「大エジプト博物館保存修復センタープロジェクト」を2008年6月より実施している。
2010年8月から、考古学博物館に所蔵されているツタンカーメンコレクションのデータベース作成支援作業に着手し、世界の考古学ファンの垂涎の的である、ツタンカーメンの黄金のマスクの計測作業が1月19日に終わった。しかしその直後、エジプトの政変が始まり、エジプト考古学博物館のすぐそばにあるタハリール広場には多くの人々が集まり、暴動に発展。作業は中断され、博物館も閉館を余議なくされた。
現在、情勢は安定の兆しを見せ始め、エジプト考古学博物館も2月20日に再開しているが、安全面の配慮から、プロジェクト作業は中断したままだ。プロジェクトのチーフアドバイザーを務める中村三樹男JICA専門家(千葉県出身)は「騒乱に乗じて、コレクションの一部が盗難に遭い、損傷したと聞き、ショックを受けた」と言う。同じくプロジェクトで保存修復支援に携わる松田泰典短期専門家(北海道出身)が、このたび朝日新聞に寄せた投稿を紹介したい。
(記事リンク)
松田専門家の投稿記事(PDF/672KB、2011年2月17日「朝日新聞」)
大エジプト博物館保存修復センタープロジェクト フェーズ1 ウェブサイト
旧JBICプレスリリース:大エジプト博物館建設事業

ツタンカーメン黄金のマスクの計測作業の様子(1月19日)

黄金のマスクを撮影するプロジェクトスタッフ