ヨルダンでのお気に入り
今年8月のある日、突然レストランからチキンシュワルマが消えた。シュワルマとはアラブで人気のあるサンドイッチのようなものである。アンマン市内をはじめヨルダンには数百件のシュワルマ屋があると言われているが、その日以降、売っているのは羊肉シュワルマだけとなってしまった。数あるアラブ料理の中でも、庶民的で羊のような強烈なにおいのしないチキンシュワルマは筆者の好物であったのでちょっと落ち込んだ。
シュワルマが消えた原因は、どうも肉自体にあるのではなく味付けのマヨネーズであったらしい。アンマン近郊のパレスチナ難民キャンプ内でマヨネーズが原因の食中毒が発生し、200人以上が症状を訴え騒ぎが大きくなった。ここヨルダンは乾燥しているために、食物は比較的長持ちするとも言われており、今までシュワルマに関しては、各店が自由に販売していた。事件後の政府の対応は早かった。すぐにすべてのチキンシュワルマ販売を禁止し、再発防止の基準作りを行った。シュワルマ屋の損害は大きく店主は皆嘆いていたが、努力して基準に合うようなシュワルマ作りをした甲斐があって、10月半ばには100軒以上のシュワルマ屋が政府のライセンスを得て営業を開始した。
政府は食品衛生管理者の任命を義務付け、厳しい店内検査を定期的に行うこととするなど、以前と比べるとチェック体制も大幅に改善された。なかなかスムーズに進まないことが多くていらいらさせられるヨルダンでも、食べ物に関してはさすがに事情が違うようだ。しかし、物事が長続きしないことも多いヨルダンで、はたして、これから先ずっと安心しておいしいシュワルマが食べられるようになるのだろうか。JICAの事業でもいかに成果を定着させるかが常に課題となっているように、ここでも、食品衛生管理システムの持続可能性が試される。

アラブ料理レストラン

この肉を切り落としてシュワルマを作ります

シュワルマセット

シュワルマランチ(左列一番手前が筆者)