水道工事と安全第一

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 ヨルダンでは、水分野をJICAの重点分野の一つとしており、様々な技術協力が行われてきた。現在、無償資金協力(注1)では、「ヨルダン渓谷北・中部給水網改善・拡張計画」と「第二次ザルカ地域上水道施設改善計画」の2件が実施されており、地元でも話題になっている。
 これらの計画では、給水網の拡充を図ると同時に、老朽化によって漏水や送水効率が落ちている既存の施設の刷新を目指している。計画では配水タンクやポンプ場、殺菌浄化施設の建設に加え、送水圧の平準化を目指した配水網の再配分、配水管路の更新や新設も行われている。工事進捗は順調で、計画目標を上回る達成率がしばしば報告されており、実施主体であるヨルダン水・灌漑省水道庁からの評価も高い。

 ところで、これまであまり話題にされていないが、この案件には別の注目すべき面がある。それは、工事施工に当たって、日本側の施工管理者と工事関係者が、日本と同様の安全管理を積極的に行っていることである。
 現在ヨルダンは、建設ブームに沸いているが、建設現場での労災事故も多く、足場の崩れ、転落、落下物傷害、などで失われる人命も少なくない。驚くべきことに、クレーンが動き回る下を、安全監視者も置かずに、一般の人やクルマの通行をさせていたりする現場が至るところにある。こんな状態なので、作業労働者が安全帽を着用している風景などはほとんど見られない。
 しかし、無償資金協力案件の現場では、日本の工事現場と同様に、安全帽を被った作業員や、安全監視員の姿を見ることができる。安全帽を被ったヨルダン人作業員が誇らしく見えるのは、その気持ちが表れているからであろう。工事の安全に対する、日本の姿勢も現地への大きな刺激になり、技術協力面での隠れた貢献になっている。

注1:無償資金協力
日本政府がODAの贈与の一部として行う、開発途上国に返済義務を課さない資金協力のことで、事業の実施により被援助国の自助努力を支援するもの

【写真】

作業員が全く安全帽を被っていないアンマンの漏水事故現場

【写真】

安全帽着用が徹底している「ヨルダン渓谷北・中部給水網改善・拡張計画」の管路敷設工事現場

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