理想とする職員像への道を模索しながら
マルハバ(アラビア語でこんにちは)。
現在、ヨルダンでは「南部女性の健康とエンパワメンとの統合プロジェクト」として、国内でも保守的とされる南部地域で女性の地位向上とリプロダクティブ・ヘルス(妊産婦や乳幼児の健康)の改善を目指し、保健省や高等人口審議会、地域の保健局と共に取り組みを進めています。
このプロジェクトは全体で5年間の協力で、現在は2年目に当たります。私は、1カ月という短い期間ですが、専門家やプロジェクトスタッフと活動を共にする機会を得ました。
まず驚かされたのは業務内容が多岐に渡ることとその量の多さ。「専門家」という名前の通り「専門」分野の業務はもちろんのこと、活動の実施に付随して発生する現地コンサルタントの雇用や物品の調達に関わる業務も相当な量に上ります。また、多くの組織を巻き込んでプロジェクトを進めているため、ステークホルダーも相当数に上り、信頼関係構築にも多大な労力を要しています。
そして、報告書からだけでは見えてこない、専門家が日々直面する問題もあります。技術レベルも低くなく、かつ、他ドナーから多額の援助が投入されているヨルダンにおいて、ヨルダン側の主体性を引き出し、活動の持続発展性を留保していくことは容易ではありません。そして、意思決定がトップダウンの色彩が強いヨルダンにおいて、上層部の理解を得ることは不可欠ですが、その結果、プロジェクトが対象とする裨益者にプロジェクトの効果が波及するまでには多くのプロセスや時間を要します。
今までJICA事務所からの視点で見てきたプロジェクトを、専門家と同じ視点で見る機会を得て、途上国支援の現場が抱える課題について理解を深めることができました。
「何かが欠けているのは誰にだって分かる。どう対処していくかを考えなければいけない」。私の最初の職場で指導係であった先輩のこの言葉を、最近よく思い起こしています。欠けていることをどう補うことができるのか。専門家やボランティアの方々が能力を最大限発揮できる環境を整えるために何が必要なのか。そして、JICA職員として私は何ができるのか。何を目指すべきなのか。この問いの答えは、まだまだ、模索中です。
日本が再び桜につつまれる頃には、ヨルダン事務所での研修も終わり、OJTではなく一JICA職員として日本国内の業務に臨むこととなります。まだまだ見つからない問いの答えは、きっとJICA職員としてずっと問い続けなければならない問いだとも考えています。胸を張って日本に帰れるよう、理想とする職員像への道を模索しながらも、一歩ずつ前進していきたいと考えています。

ビレッジヘルスセンターを視察するシリアからのスタディーグルー

ビレッジヘルスセンターでサービスを受ける女性

ビレッジヘルスセンター