58歳にして初めて体験するアラブ、これもイン・シャー・アッラーだったのか(後編)

Twitter Facebook はてなブックマーク Yahoo!ブックマーク livedoor メール

 (前編からの続き)
 ここヨルダンでも、大なり小なり生活の中にイスラム教(イスラーム)が色濃く反映している。イスラム圏外から来ると、ひと際感じる。その辺が異国という感じを強く持つゆえんであると思う。


 日本ではどうだろうか。子供の頃から気付かないうちに仏教の影響を受けてきている。宗教としての仏教を直に感じるのは、お盆かお彼岸や葬式の時くらいだろうか。しかし、イスラムでは日々お祈りを行い、朝一番のお祈りを近所のモスクで済ませてから出勤する人も大勢いる。イスラム教が生活の中に密着しているようだ。この辺が日本と大きく違うところだろう。日本では心のよりどころや人間関係が希薄に感じられるが、イスラムの社会では宗教が人々の心を結びつけているのだろうか。少しうらやましくも感じる。


 私の派遣先の職業訓練校でも、アダーンという、祈りの時間を知らせるコーランがけたたましく流れる。先生方も思い思いの場所で、手の空いた時間に、メッカに向かいお祈りを始める。私は邪魔をしないように、コンピューターのキーボードを打つ音に注意しながら、そばで仕事をしている。


 宗教上、女性は肌の露出を避けなければならないため、頭髪をヒジャーブというスカーフ状のもので隠している。顔だけ出して身体全体を黒の衣装で包んでいる女性、目の部分もネット状のもので隠している敬謙な女性と多様である。しかし、ヒジャーブにはかなりカラフルなものもあり、今流行なのであろうか、ジーパンをはいて、精一杯ヤングを表現しているキュートな女学生達も見かける。しかしバスや乗り合いタクシーでの同乗女性に対し男性は誤解されないよう注意することを忘れてはいけない。なるべく女性との接触を避けるため、同席を避けるようにし、女性が乗り込んできた場合は、席を移動する人を多く見かける。


 ここヨルダンでも、パレスチナやイラク難民問題・失業率の高さ・隣国ガザ地区の問題等、憂慮されていることもたくさんある。私自身もアラビア語の本格的勉強はこれからだ。しかし、ここアラブ世界で58才からの人生は焦らず急がず、シュワイ・シュワイ(少しずつ)で行きたいと思う。

【写真】

職業訓練校の生徒。カメラを向けるとすぐに集まってくる

【写真】

授業の合間にホムスをほおばる。インストラクターの先生方と

【写真】

昔と変わらぬ羊の群れとベドウィンの人


Twitter Facebook はてなブックマーク Yahoo!ブックマーク livedoor メール