ポイ捨ては「恥」が常識になる日まで

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私は首都アンマンから北へ10キロほどのところにあるアイン・アルバーシャという町の教育省地方支局で、環境教育隊員として活動している。ヨルダンの小中高校には環境クラブという環境に興味のある生徒が活動するクラブがあり、生徒たちは自然保護、動物愛護、環境問題などについて学んでいる。私は、支局が管轄する学校に設置されている22クラブを支局の同僚と一緒に巡回し、クラブ活動がより活発になるよう支援をしている。


以前、環境クラブの生徒たちに対して環境問題に関する意識調査を行ったときのことである。ヨルダンの環境問題は何かと質問したところ、ゴミやたばこのポイ捨てによって町が汚れていることだと口ぐちに答えた。さらに、放牧されている羊やヤギが落ちているビニール袋を餌と間違えて食べて死んでしまうという問題も起こっており、放牧で生計を立てている人たちにも深刻な問題であると指摘した。ポイ捨てで汚れてしまった町の光景は見るに堪えない、どうにかしなければならない問題と生徒たちは考えていた。


私は安心した。なぜなら、ポイ捨てによって散らかったゴミに対して、生徒たちはしっかりとした問題意識を持っていたからだ。「生徒たちには、この問題に対して自分たちに何ができるかを考えて行動して欲しい」と思った私は、一つの解決策として、ゴミの中にも再利用できる資源があることを理解させるために空き缶リサイクル活動を提案した。提案は成功だった。当初は校内で出る空き缶を対象にした活動だったが、生徒たちは道端に落ちている空き缶を積極的に拾ったり、家庭でも空き缶を集めたりして、活動の範囲は家庭、地域へと大きく広がっていった。そして嬉しいことに、生徒側から古紙リサイクルもしたいと話があがり、古紙リサイクル活動も続いて始まった。


この国が環境に優しい国になるかどうかは、環境に対して意識が高いこの生徒たちの手にかかっていると感じている。人々の意識と行動を変えるには相当な時間と労力を要するが、幸いにもヨルダンには「アイブ(=恥)」という概念がある。環境を大切にしないことは「アイブ」であると人々が感じる日が来るのを目指して、私と生徒たちの環境を大切にする活動は今始まったところだ。

【写真】

配属先がある町、アイン・アルバーシャの風景

【写真】

集めた空き缶をまとめているところ

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