女性は楽しい(?)サウジアラビアの結婚式(前編)

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 結婚式といえばお国柄があり世界中様々ですが、サウジアラビアの結婚式はその中でも特徴のあるものだといえるでしょう。

 サウジアラビアは、世界最大の石油埋蔵量を誇る中東の大産油国。メッカ、メディナのイスラム教の二大聖地を抱え、イスラム教義を厳格に守っているアラブの王国です。教義の厳しさは、1日5回のお祈りの時間には食堂やガソリンスタンドを含む全てのお店が閉まってしまうことや、酒や豚肉が全く手に入らないこと、女性は自分の家から一歩外に出たら、アバーヤという黒装束とヒジャーブという黒のスカーフを身につけなければならないことにも表れています。

 サウジアラビアの結婚式は、この教義の厳しさを反映し、男女分離が徹底し、男性の会場と女性の会場が全く分かれており、相互に行き来することはできません。イスラム教国の結婚式に小生はパキスタンとチュニジアで参列しましたが、ここまで男女分離が厳しいのはパキスタンの田舎の庶民の結婚式ぐらいです。

 小生がサウジアラビアに赴任して約1カ月がたった7月21日の夜、サウジ人の友人の弟さんの結婚式に招待され、サウジ第2の都市ジェッダでの結婚式に妻とともに参列しました。夜10時の開始に間に合うように会場に行くと、そこは赤紫色のネオンがきらびやかな結婚式場で、建物の脇にはなにやら絨緞(じゅうたん)が引いてあります。まさかここで立食パーティをやるのではないだろうと思いながら通りに面したメインの入り口に行くと、「ここは女性専用会場だからお前は向こうに行け」といわれ、妻のみ入場しました。妻とはここで別れて絨緞の横を通り、男性用の入り口に行きサウジ人の友人の名前を告げて入れてもらえました。小生はこの日のために買った(?)トーブといわれる男性用のサウジ民族服を着ていったので、最初友人も小生だということはわからなかったと言っていました。実際、アジア系の顔をしてトーブを着たサウジ人も何人かいましたが、友人によればジェッダは聖地メッカに近く、昔巡礼に来たインドネシアやマレーシアのイスラム教徒が住み着いた人が多いとのことでした。

 男性用の会場では入り口で新郎の親戚に挨拶した後、200人ぐらい入る会場に案内されました。そこでやはり親戚に挨拶し、会場の周りにある席に座り、カルダモンを抽出した薄黄色のアラビック・コーヒーと紅茶を交互に勧められて、他の参列者と談笑する時間が1時間以上続きました。11時半頃にテーブルに通され、各テーブルの中央に山盛りになったアフガン風ピラフ(他の結婚式場ではカプサというインド米に羊の肉を乗せた料理が出るそうですが、友人の一族は中央アジア出身だからか干しぶどうの入ったピラフでした)を200人ぐらい男性ばかりの出席者が食べながら談笑しました。音楽も踊りも余興もなく、ただ食べて話すだけの時間が1時間ぐらい続きました。時折隣の女性用の会場からアラブ音楽の太鼓の音が聞こえてきて、向こうは楽しいのかなあと想像していました。参列者がひとしきり食べ終わった深夜1時過ぎ、翌日は通常通り仕事のため、参列者は三々五々帰っていきました。ピラフも相当余ってもったいないなと思っていました。小生は妻が女性用会場に入ったきりで向こうはまだ続いているようだということで深夜2時まで待っていたのですが、女性用の入り口に行く途中、なんとあの絨緞の上にはインド・パキスタン系使用人がゴロゴロ寝ているではないですか。彼らは女性の参列者の運転手だったのです。

(「女性は楽しい(?)サウジアラビアの結婚式(後編)」に続きます)

【写真】

男性用会場風景(ご覧のとおり男性しかいません)

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