サウジアラビアの自然の多様性(沙漠と海と山と)
サウジアラビアというと、砂漠や石油というイメージが先立ちます。確かにサウジアラビアの国土の約9割は砂漠に覆われていますし、日本の原油総輸入量の約3割はサウジアラビアが供給しています。
そんなサウジアラビアですが、自然環境は砂漠ばかりではなく、南西部には2,000メートル級の山脈を有し、さらに紅海とアラビア湾に面しているなど、想像以上に多様性に富んでいます。ここでは、私が目にしたサウジアラビアの自然のほんの一部をご紹介します。
まずは、みなさんがイメージする砂漠です。リヤドから郊外に向けて1時間も走れば、「沙漠」が広がります。よくテレビで見る砂丘が連続する「砂漠」もありますが、むしろ、岩や石、砂が混ざったいわゆる「沙漠」が実際には多いです。沙漠には、風化した巨大な岩石がグランドキャニオンのような壮大な風景を形造ることもあれば、いにしえの隊商の交通路であったといわれる「キャメルロード」もあれば、3,000年前の民が残したと思われる絵文字が刻まれた岩も点在しています。
サウジ人は週末、砂漠にドライブやピクニックによく出かけます。やはり、ベドウィンの遺伝子を受け継いでいるのでしょうか、サウジ人にとって砂漠は心の故郷のような存在で、リラックスできる場所のようです。
次に紹介するのは紅海です。サウジアラビアの西部は紅海に面しています。紅海は世界一の透明度を誇るといわれ、サンゴ礁やマングローブ林をはじめ、貴重な海洋生物が生息しています。先日、サウジアラビア第2の都市であるジェッダに行き、海に潜ってきましたが、そこには美しいサンゴ礁と熱帯魚が生息する住む別世界が広がっていました。JICAは1997年から3年をかけて北部紅海沿岸の生物環境・生物インベントリー調査(注)を実施し、世界的にも貴重な紅海の生物多様性の保護に貢献しました。
最後に、南西部には2,000メートル級の山脈が連なり、年間200~500ミリの降水量があります。山々にはビャクシンの林があり、果物や野菜の生産等、農業が盛んです。この地域においてJICAは、ビャクシン林保護のプロジェクトや水資源を有効に活用するための調査を実施しました。私はこの地域を訪れる機会をまだ得ていませんが、緑に覆われたサウジアラビアの山を、いつかは見たいと思っています。
(注)北部の紅海沿岸地域の基礎情報収集にかかる開発調査。生物インベントリー(動植物の種類、分布)調査を実施し、その結果を基に、生息、植生の分布図を作成した。調査の成果は、サウジアラビアの自然保護、生物多様性保全に活用されている。(広報室)

赤色の砂漠に立つ筆者

グランドキャニオンのような風景が広がる沙漠

絵文字が描かれた岩

隊商の道「キャメルロード」

サンゴ礁に群れる熱帯魚

美しいサンゴ礁