チュニジアは香りの国

 長いフライトを終え、その国へ着陸、機内から地上へ降り立つと、風にのってジャスミンの花の香りが・・・。と、そこまではいきませんが、こういう経験、皆さんもおありでしょう。到着した国の第一印象が香りによってイメージづけされること。私の脳の海馬体の奥深くには、ハワイのプルメリア、マーシャル群島のパームやしの香りが住んでいます。


 現在の私の任国は、北アフリカのチュニジアという国です。中進国の仲間入りをし、国際的に羽ばたきたいとの願いの中に、格差社会など色々な問題が錯綜しており、JICAのボランティア仲間に会うたびに、苦労話に花が咲きます。


 まだ豊かな自然の恵みはチュニジアの大きな支えになっています。例えばオリーブは世界第4位の生産量、ワインも生産し、輸出しています。私の住むナブール県ではオレンジの栽培が盛んで、味も良く、自慢の一品です。さらに街路樹や庭木として植えられ、その時季には、緑とオレンジの色が美しいコントラストです。誰もその実を取ろうとしないので、1個失敬してみると、さすが"マズーイ"でした。


 じゃあこれは一体何なのだろう、という答えは、春3月、新しい白い花芽が咲き誇る、その1週間にありました。人々は木に登り、その花を摘み、スチーム冷却をして香水をつくるのが目的だったのです。その質と量はフランス某有名メーカーも買いに来るほどなのだそうです。もう少し早い時季の市場では、ピンクのバラの花が道端に山になって売られています。その甘い香りは、ついつい寄り道をしてしまうほどです。ただ部屋に置くだけでも癒されます。


 私のおすすめはジャスミンの花です。6月頃に咲き、男どもはその小花束を耳へはさんでシャレます。男の意気、「粋」です。いい香りです。これもスチーム冷却して香水となります。これをこちらの人々は、化粧品としてはもちろん、お茶に入れたり、料理に入れたり、風呂に入れたりと、様々な場面で楽しんでいます。


 しかし、その素晴らしい香りの花たちは一番美しいその時に摘まれてしまい、街中を「香りの国」にすることが出来ないのはチョット残念な気もしますが、長く香水として楽しまれるのも一つでしょうか。


 貴方の国の香りは何でしょうか? 歩きが止まった時、そこに香りが見つかるような気がします。花の香りを言葉で表現できなくてゴメンなさい。難しいのであります。

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個人宅の庭にはいつも花がいっぱい

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右のポットに花を入れ、スチーム冷却して、左のビンに入れて出来上がり(これはモニュメント)

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ジャスミンを耳にはさむ。男の粋ですなー


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花売り少年(1本1ディナール=約73円)