世界で2番目に危険な国で

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今年、国連大学から出された「ワールドリスクレポート2011」によると、トンガは世界で2番目に危険な国にランクされている。何のランキングかといえば自然災害に対するリスクである。私は、この世界で2番目に危険な国の国家災害管理事務所で災害対策の仕事をしている。ちなみに日本の順位は5位。災害の面から見ると日本とトンガは共通点が多い。


トンガは、東に太平洋プレートとオーストラリアプレートがぶつかるトンガ海溝が走り、太平洋をぐるりと囲む「Ring of Fire(環太平洋火山帯)」の上に位置している。「世界の地震の80パーセントがここで起こる」といわれ、そのため、地震、津波、火山噴火といった自然災害が頻発する。それに加え、年間平均1.5回、サイクロンに襲われるという災害多発国である。ここでは災害は「もし」ではなく「いつ」の問題である。


私が赴任する1年前には、サモア沖の地震で発生した津波で9名の方が亡くなった。私が来てからは、サイクロンが直撃し、大きな被害を出した。私も、サイクロン通過中のオペレーションから、被害発生後の調査、緊急援助という一連の活動に携わった。


2011年3月11日、仕事が終わり自宅で休んでいると、職場から緊急電話が入った。「津波警報が出たのですぐに事務所に来て待機するように」―。自転車に飛び乗って5分で務所に駆けつけると、見慣れた景色が津波に飲み込まれていくシーンがテレビで放映されている。東日本大震災だった。


トンガへの津波の到達予想時刻は翌朝の5時、長い夜が始まった。国際テレビ放送に次々と現れる日本の惨状を同僚とただ見ていることしかできない自分が悔しかった。警報の発令や、市民からの問い合わせの対応、各国の被害状況のモニター―。忙しい中でもトンガ人同僚がかけてくれた「おまえの家族は大丈夫か」という優しい言葉が心に残る。トンガでは、震災の翌週末に日本の被災者のために、チャリティーイベントが開かれた。


私は、今、事務所で勤務する傍ら、学校やコミュニティーで防災教育を行っている。日本の経験を伝えるためだ。トンガでは、なぜ津波が発生するのか、津波が発生したらどうしたらいいのかを知らない子どもがまだたくさんいる。東日本大震災では数多くの人たちが命を失った。しかし、数多くの人たちが自分の命を守ることができたのも事実である。少しの知識が命を救うかもしれない。少しでも多くの人に命を守る大切さを伝えたいと思う。失われなくてもいい命が失われないように。

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小学校で東日本大震災のビデオを見せ津波教育をする筆者

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サイクロンで被災した離島へ緊急援助物資を輸送する

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日本人と一緒に東日本大震災の募金活動をしてくれたトンガ人


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地震への対応を学ぶ子どもたち

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津波訓練で高台へ避難する子どもたち

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同じく防災分野で活動する青年海外協力隊員と共に防災教育を実施

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